とにかく笑おうベルリン留学! 

吉田昂平

皆さん、こんにちは‼ ドイツ語学科2年の吉田昂平です。

私は在外履修の制度を利用して、ドイツのベルリン自由大学に留学をしております。9月にベルリンに到着し、留学生活も残りあと1ヶ月弱となりました。今回のブログでは、私のベルリン生活について、精一杯書かせていただけたらと思います。

まず、皆さんは「ベルリン」にどんなイメージを抱いておりますでしょうか。 

一昨年クリスマスマーケットでテロがあったところ? 首都? ベルリンの壁? 人が冷たい? クラシック音楽・オペラが有名? 政治の中心? ナイトクラブが多い?笑

などなど、ドイツの中ではベルリンは様々な意味で有名なのではないかなと思います。

ドイツ語学科に入学すると、多くの方から「ベルリンはドイツじゃない。」「ベルリンは怖い。けど、強くなれる。」などと伺います。私自身も在外履修先を選んだ時、「いやいや、こーへいなんでベルリンにしたの、、、、、、、、、、」と親しかった先輩に言われたこともあります笑

そのような経緯もあり、出発前は割とビクビクしながら、あるサイトでのレビューが星1しかなかった寮(今も住んでいます笑)の写真を見ながら、期待に胸を膨らませてドイツ語を学習しておりました。私はそもそも高校生の頃に、ドイツが多くの難民を救う姿を新聞やニュースで見て、その姿に感動をしてこの国に興味を抱いたので、実際に政治の中心であるベルリンで留学生活を送れるなんて夢のようでした。

いざ来てみると、やはりベルリンは他のドイツの都市とは異なり、首都だなあという感覚があります。東京ともかなり違います。やはり、ドイツであることには変わらないので何かと不便を覚えることがあります。東京のように一晩中・24時間営業しているお店はやはりほとんどないです。またベルリンは、中心地では英語が聞こえることも多く、ドイツ語が話せないという方も珍しくありません(僕のルームメイトは全員ドイツ語が話せません)。とても多様性があり、言語・宗教・文化の違いを持った人々が、融和し、時には衝突しながらも生活をしています。ベルリンは首都であるものの、ドイツの中では貧しい場所らしく、物乞い・ホームレス・移民などから何かをせがませることもしばしばあります。ですが、非常にユーモアのある人もいて、最近の言葉で表現するならば、ベルリンにはとにかくファンキーな人達が多いです!笑 ベルリン在住歴が長い知り合いの日本人いわく、「ベルリンは毎日がパーティーで、なんでもあり」だそうです笑

さて、ここからは私自身のことについて詳しく書かせていただけたらと思います。私の大学生活はというと、授業は上智大学で履修していたものよりもかなり自由度が高く、主体性・自主性が求められます。「ドイツ語コース」という枠の1つの講義ですが、政治的に踏み込んだテーマ(例えば、メルケル首相率いるCDUはどの政党と連立を組めば良いのかなど)を議論することもあれば、世界各国の大学事情など、学生が意見や考え・基礎知識を持っていることが前提として進んでいくので、とても大変です。これでも授業のレベル的にはB1程度と、文法的には上智で学んでいることで十分通用するのですが、私は教養が他の学生よりも乏しく、表現することも苦手なので、先生に「こーへい、ここはドイツだよ、日本じゃないんだよ!」と言われてしまったこともあります。

正直、私の留学生活はそんなに順風満帆なものではなく、毎日嫌なことやトラブルもあり、時には授業中に差別的な発言を受けたり、カードがスキャミングされて1ヶ月分の奨学金を盗られたりなど、様々なことに押しつぶされそうになっていました。高校生の頃から憧れていたドイツ留学が、想像と違っていた部分もあり、実はつい最近まで将来の方向性で悩み、苦しんでいました。

しかし、そんな時に心から自分を支えてくれている両親・友人や先輩・教授・現地で知り合った方々などが助言をくださり、私は一つの大切なことに気がつきました。

それは、言語が伝わらなくても嫌な思いをすることがあっても、相手の文化に溶け込んでいくということです。私は、ドイツで慣れない文化に遭遇するとつい不平不満を言い、相手を理解する努力を避けてしまっていました。ですが、私はここに住む多くの人から見たら「異文化」「外人」であるので、ほとんどの場合は相手が自分に合わせてくれる、自分の思い通りに進む、なんていうことはないと思います。

そこで、まずは自分が精進しなきゃ、頑張るぞ!と思い、試行錯誤を始めました。自分の中で効果的だったのは、「相手に微笑みを持って接する」ということです。

自分としては語学が急に上手くなっているとは思えないのですが、この取り組みだけでなんとなく相手も変わったような気がします。いつも高圧的なAOK(ドイツの保険会社)の担当者が笑顔で解約の手続きを教えてくれたり、レストランで何故か知らない人と微笑み合っていたり。気持ち次第でこんなにも変わるなんて思ってもいませんでした。ドイツが嫌いになりかけていた自分が、なんか帰国するのが少し寂しくなったり、ケバブを週3で食べたり、ドイツ人ばりにブラック政治ジョークを笑顔で言ってみたりと、留学できてよかったなと今では本当に思っています。ベルリンでの幾多ものトラブルも、良い土産話です笑 ドイツ語学科のある教授が「ベルリン留学は人生を変える」とおっしゃっていたように、私の人生においても大きな分岐点となりました。

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最後に、ドイツ語学科に入学したくて一生懸命頑張っている受験生の皆さんにメッセージを書かせていただきたいと思います。

上智大学ドイツ語学科生は多様な人生の選択肢を持つことができると思います。私も周囲の人が恐らく全く想像していなかった決断を留学中にしました。ドイツ語学科では、留学を始め、授業や学外活動・ゼミなど様々な経験が積めます。文化・国籍・宗教を超えた多くの面白い人達との出会いが上智大学・ドイツにはあります。ドイツ語という一見狭そうな学問に思えつつも、多岐に渡る教養や知識、経験を得ることができます。

なので、皆さんもドイツ語学科に入学すれば、良い意味で面白い大学生になることができると思います。人生がもしかしたら変わるかもしれないです。

今は大変なことも多いかもしれませんが、努力を重ねて是非頑張ってください。

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